◆どうしても◆

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「みんな、はよー!」 工藤くんは教室に入って早々大声で叫ぶ。 するとみんなは工藤くんに視線を向け、たちまち笑顔になる。 「翼、おはよ!」 「工藤遅刻ギリだよー」 なんて声が次々と上がって、工藤くんはわたしに手を降ったあとみんなの中へ溶け込んでゆく。 「あー!ちとせおはよ。工藤の後ろにいたからわかんなかった。あんた背小さいから」 つっちーが声をかけてくれる。 昨日のこと、謝らなくちゃ。 「おはよう。つっちー、昨日はごめんね」 「んー?ああ、全然いいよ」 なに食わぬ顔で、さらっと言う。 つっちーがこういう性格でよかった。 「…ぁ」 荒木くんに、声かけようかな。 …どうしよう。
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