◆最低男。◆─陽─

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バカだな。 「うん!もう平気」 土田さんがひきつった笑顔を張り付けている。 顔に出るタイプなんだろう。 「ならよかった」 安心したような笑顔を見せる橋本さん。 さっきは偉そうで、俺を睨んできたのに。 橋本さんにはでれでれって感じだ。 女友達にそうなることもあるんだな。 視線だけ橋本さんに向けると。 素直な屈託ない笑顔で土田さんと話している。 時折教室の窓から入る夏の風に、サラサラな黒髪が揺れて。 そして、男心をくすぐるような仕草。 なにかが胸の中で疼く。
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