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「工藤くんって、おもしろい」
「え。それって誉め言葉?」
「違います」
きっぱりと言うと工藤くんは八重歯を覗かせて、にかっと笑う。
そう、太陽みたいに。
「じゃ、またあとでな」
「うん」
工藤くんは笑顔を崩すことなく、 友達の輪の中へ溶け込んでゆく。
たちまち、その周囲はざわっと騒がしくなる。
すごいなぁ、工藤くんの存在感は。
一瞬でみんなを笑顔にすることの出来る力を持っていると思う。
「おい、浮気女」
「あ。つっちー、おはよ」
低い声がして振り向くと、つっちーが少し猫背になってわたしを見ている。
その顔は、わたしを睨んでいるようにも見える。
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