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「窓は片付けたよ!だから朝ごはん!!」
「作るから黙れ。寝起きの頭に響く…」
「僕は響いてないから問題なし!」
「問題大有りだ阿呆。」
適当に神様をあしらうと、椋は制服に着替え始める。
今日は月曜日だから学校があるのだ。
椋は高校一年生。
本人曰く地元の公立高校に通う平凡な生徒らしい。
制服に着替え終えたら朝食作り。
ベーコンエッグと粉ふきいもに焼いた食パン+神様には牛乳、椋はコーヒー。
テーブルに並んだ朝食を見て、神様が首を傾げた。
「牛乳いらないよ?コーヒー頂戴。」
「俺の独断と偏見。」
「何か僕に言いたいことでも?」
「背、のびるといいな?」
「うるさい!!」
悲しきかな、身長は12cm程椋の方が高い。
神様はかなりの年月を生きているのだが…見た目年齢は高校生(自称)。それにしては小さいような。
キレた神様は牛乳を椋にかけようとするが、椋はそれを回避。
おかげでテーブルの上は牛乳まみれだ。
「椋の馬鹿!ウドの大木!」
「勝手に言ってろ阿呆。お前のパン、牛乳まみれだけどちゃんと食えよ。」
「!?僕の朝ごはんがぁぁ!!!」
「うるせぇからちょっとは黙れ!!」
騒ぎながら食べ終え、準備を終えたら椋は学校に行く時間だ。
「物は壊すなよ。近所にも俺にも大迷惑だ。」
「うん!じゃがいもには気をつけるよ!」
「気をつけるとこはそこじゃねぇ…」
「ほら、学校でしょ?行った行った!」
「はぁ…行ってくる。」
呆れながら椋が出かけた後、神様は部屋に戻りPCを開いた。
【受信メール1件】
それを開き、神様は独り言を呟く。
「1件だけ…少ないっていいことだよね?平和だってことだし!」
内容を確認しメモをとると、神様はにっこりと笑った。
その笑みはさっきの笑顔とは違い…冷たく、どこか悲しげな笑顔。
「楽しい非日常が始まるよ、椋…君の好きな、平和じゃない非日常が…」
だがそんな顔は一瞬だけ。
神様は普段の笑顔になると、
「洗濯でもしようかな!」
…と、洗濯をしに行くのだった。
…この後、洗濯で洗剤の配分を間違え、
昼食を作る途中で爆発させ、
掃除をしている途中に掃除機を壊し、
椋からかなり怒られるのは数時間後のことである。
「じゃがいもには気を付けたのに…」
「もう何もしないでくれ…!!」
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