4307人が本棚に入れています
本棚に追加
/304ページ
「病院ってもしかして、背中の…?」
眉根を寄せてそう心配そうに訊ねるかんすけくんの言葉に、あたしは飛び上がらんばかりに焦って首を横に振った。
「ちがうちがうちがう…!妹が入院してるのっ。」
「…妹さんが?」
バカみたいに意識しすぎてる自分がうらめしい…。
あたしってば・・・もしかしたら、かんすけくんは何も感付いてないかもしれないのに。
「じゃあさ、病院の玄関まで送らせて?」
そう言ってニコリと笑い、かんすけくんはワンコの綱を解いた。
ワンコは嬉しそうにフサフサの尻尾を振って、かんすけくんにじゃれ付いた。
フフ。
可愛い。
あたしはそんな光景にほだされて、頷いた。
あたしとかんすけくん・・・かんちゃんは、こうして出会った。
最初のコメントを投稿しよう!