4308人が本棚に入れています
本棚に追加
/304ページ
「名前…相田凛さん、ですよね?」
病院に向かう道で、並んで歩きながら突然かんすけくんが言うんで、あたしはびっくりして彼を見た。
「…何で知ってんの?」
「あの瀬戸ユウキの彼女さん。…一年の間じゃ結構有名ですよ」
「…へ~~~。」
そ、そうなんだ…あたしが?
知らなかった。
っていうか、…今、ユウキのこと、・・・呼び捨てた?
「…。みんなあなたに興味津々。」
ええっ!?…えええ!!???
焦ってあたしがおろおろ眼を泳がせると、かんすけくんはクスクスと笑った。
「ごめん、冗談。…」
むっ。
とした。
歳上のあたしをからかうなんて…
でもあたしを見るかんすけくんの瞳があまりに優しくて、その気持ちも不思議にすいっと引っ込んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!