第二章 ビーズのナミダ

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病室の妹・美羽はあたしをみると花みたいに笑った。 「あ、おねえちゃん、おかえり。」 「ごめん、遅くなって。」 あたしはビーズの瓶をベッドの上のテーブルにコトリと置いた。 「ハイ、頼まれてた色の。」 「わーい!ありがと!」 美羽はやせ細った手で瓶をとると、中のビーズを覗いた。 「キレ~イ!…あれ?なんか枯れ草が混じってるよ。」 「うん、実はね、来る途中土手のとこでばら撒いちゃったんだ。」 …と、あたしは土手での話をした。 かんすけくんが、拾うの手伝ってくれて、そしてここまで送ってくれたことも、話した。 病院で退屈しきってる美羽に、あたしは元気付けるネタになりそうな話ならなんでもする。 「ふーん。優しいね、その一年生の人」 「うん。…そいでそのかんすけくんが連れてた犬がまた、でっかくて可愛くてさ。」 「えぇ!?美羽おっきい犬大好き!なんて名前?」 「えっと、…なんて呼んでたかな~。…ヒロユキとか、アツノブとか、なんか人の名前みたいだったよーな…」 正解は『のぶてる』だったんだけど、その日はどうしても思い出せなかった。
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