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次の日。
大概のことがあっても、朝になれば元気になってたこのおめでたいあたしでも。
その朝だけは違ってた。
ずうーん。と鉛みたいに重い、心。
ってかなんか、瞼も重たいし。
ベッドから起き上がって、机の前の手鏡を取ると。
泣きはらして、目が真っ赤に充血してた。
ぐはー。
…これはまずい。
あたしは机の引き出しの奥から、こういう時のためのテッパンアイテム・『伊達メガネ』を取り出した。
その黒縁のメガネを鏡の前で着けて。
「…ジャジャーン☆…」
これで、目の充血が少しは誤魔化せるってワケ。
でも、…はあ。
心に掛ける、伊達メガネもあればいいのに。
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