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教室に着くと、クラスメートの中に否が応でもユウキを見つける。
窓際のあの席に座ったユウキが、チラッと、あたしを見た。
でも、ユウキは何も言わずに男子の友達と談笑を始めた。
別段、機嫌は悪そうではない。
そのことに何よりもホッとする自分が、情けなかった。
席について、教科書を出してると次に話しかけてきたのは、さやか。
「おはよ、凛・・・…何、メガネなんかして。」
うん、大丈夫。
ここまでは、あたしの筋書き通りだから。
だからあたしは、
「おはよー。いや~。…明け方まで、映画観ててさー。感動でウルウルきて、目~腫れちゃって」
って、用意してた台詞を、自然に言うことができた。
けどやっぱ、親友のさやかにはお見通しだったみたいで。
「うそつき凛。…」
って速攻声を低めて怒られた。
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