第五章 ジョーカー

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教室に着くと、クラスメートの中に否が応でもユウキを見つける。 窓際のあの席に座ったユウキが、チラッと、あたしを見た。 でも、ユウキは何も言わずに男子の友達と談笑を始めた。 別段、機嫌は悪そうではない。 そのことに何よりもホッとする自分が、情けなかった。 席について、教科書を出してると次に話しかけてきたのは、さやか。 「おはよ、凛・・・…何、メガネなんかして。」 うん、大丈夫。 ここまでは、あたしの筋書き通りだから。 だからあたしは、 「おはよー。いや~。…明け方まで、映画観ててさー。感動でウルウルきて、目~腫れちゃって」 って、用意してた台詞を、自然に言うことができた。 けどやっぱ、親友のさやかにはお見通しだったみたいで。 「うそつき凛。…」 って速攻声を低めて怒られた。
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