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第一部― 空蝉の恋
空蝉(うつせみ)の
身をかへてける
木(こ)のもとに
なほ人がらの
なつかしきかな
* * * * * * * *
空蝉(うつせみ)
―光源氏の誘惑に負けなかった唯一の女性。
そしてこの和歌は
夜に空蝉の部屋に忍び込んだ光源氏が
空蝉の不在を冷ややかに思いながらも空蝉に恋い焦がれる想いを詠んだものである。
私は時々考える。
もしあの時、空蝉が源氏の誘惑に負けていたらどうなっていたかと。
私が空蝉だとしたら、
たとえそれが誘惑だとしても、
互いに想いを寄せ合う恋にしたい。
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