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香は不安そうに周りを見てクリスティーネに尋ねる。
「ここもエルの牙城じゃないの?」
クリスティーネは微笑みながら首を横に振る。
「ここは違うわ。
私の術で来たから、ここは私の術の領域よ。
それで夢で見たことを言ってくれる?
再現するから」
「そんなこと出来るの!?」
香が驚くと、クリスティーネが微笑む。
「出来るわ。
私は死神だから、
死に関することなら、時間を遡らせ、真実を導き出す事が出来る。
さあ、早く言って!」
クリスティーネに急かされ、香は自分の見た夢を述べ始める。
するとそこに光を放ちながら幼い頃のエル、香、そして黒子の姿が露わになる。
黒子は頭から光輝きながら姿を現していく。
黒子の姿が全て見えた時、香は呆然と立ちつくした。
栗色の髪に丸っこい目の男の子。
彼は青いティーシャツと黒いズボンを着ていた。
男の子は香の方を振り向き、ニッと笑う。
香は震えながら叫んだ。
「私、この子知らない!
この子、誰!?」
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