恥晒しの生涯に花束を

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恥晒しの生涯に花束を

不毛な問いにその日の答えを見つけるけど。 移ろいやすい悲しさが静かに揺れている。 心臓が虚ろに打つ焦燥。 素直な俺が皆に手を振る。 その行く先は無いけれど。 知っているよ。 俺の言葉に価値など無い事も。 媚も売れぬ静かな木偶。 今が人として充たされない立場と知る。 もう、何もかもが触れられない明日。 お前には生きる価値など無い。 お前は、失敗作なのだから。 そう視線から聴こえる。 解っているよ。 何も変えられない弱さと結末。 一日とも持たぬ決心。 何時かの為にと、今を誤魔化すのは終わりにしたい。 普遍的で不変的な幸せなど何処にも無いのだから。 無かったのだから。 報われない沈黙よ、何処までも響き渡れ。 深く沈む息も辛く、不器用な誠意が突き返される。 そんな日々が滲んで行く。 自分との約束も何一つ果たせずに、 自分を信じられなくなり、 自分を諦めて行き、 人であることさえ耐え切れなくなる。 美化せよ、儀式と尽くせ、 その場の涙を借り、優しさと化せ。 消え去る今に贈る言葉など出てこない。 塗りたぐった心、焦げ付く根拠の無い期待、 心を打ちつける通り雨、何処かで鳴る雷に怯え。 何度も…何度も… 現実に打ち砕かれた夢見た未来。 ぐるぐると大きな空が回り続ける。 もう、普通にならなくていいか? ただ、繰り返される自傷と自尊の中で。 ただ、欠陥品と言ってくれ。 ただ、異常だと言ってくれ。 其処から俺は自分を見つけられるだろう。
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