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我が名
何で俺には、皆が簡単に出来ることが出来ないのか悩んでいた。
考えても、混乱して世界がぐるぐる回り、真っ白になり吐き気さえした。
世間話でも言葉が生まれず、話しかけられるのが怖かった。
相手の言葉も、気持ちも分からない。
頑張る度に報われない自分を見下し。
悩む度に、自分を否定しては、嫌いになっていった。
そして、全てを否定した。
俺には、欠陥があった、どうしようもない障害があった。
そう思えた時、今までの人生が、この存在が、ようやく見えてきた。
辛かった思い出も、悔しさに滲む思い出も。
明日見えぬ不安も、孤独に終わるであろう人生も。
だから、普通の人と同じようにならなくてもいいんだと。
無理に普通にならなくてもいいんだと。
作り上げた役を演じなくてもいいんだと。
出来ないことを、心すり減らしてまでも続けなくていいんだと。
耐えられないなら逃げてもいいんだと。
だけど、知っているよ。
何もかもから目を逸らして、逃げてはいけない。
これがきっと「俺」の始まりになる。
諦めと新たな決意を胸に歩き出す。
すべきと思ったことが出来なかったとしても、自分に出来ることを一所懸命やればいい。
それがたとえ僅かであっても、汗水たらして、時に頭を抱えてもだ。
自分の幸せのために、
生れ落ちたこの国のために、
家族が暮らすこの国ために、
友が暮らすこの国のために、
この生涯を捧げよう。
そう思えた。
そうだ。
我が名は日本。
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