軋む日々

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軋む日々

全てを叶え、全てを求めてくれる人がいると信じていた。 いつも、どこかで優しい眼差しを尽くしてくれると。 全てを与え、全てを許してくれる人がいると思っていた。 いつか、流した涙も輝く物語になるんだと。 両手を広げ、息をいくら吸い込んでも抱けない夜空。 虚しく響く言葉を生きる糧にして、見つめた。 自惚れと、自尊心。 声をあげ泣いている。 畳み込んだ可能性を、 誰の目にも触れないように抱えこんだまま。 言い訳と、無関心。 慰めに耳を傾け。 批判と拒絶に震えたまま、 誰の声も聴こえないように眠ろう。 思想の淀み、盲目聾唖、 無風の平穏、存在理由。
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