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初めて愛した美しき人へ。
涙雨、今は君との思い出に濡れたまま。
少し心を止めて、自分を見つめられるなら、
答えが見えてくるのだろう。
だけれど、断ち切れた視線の前にはもう行けない。
いくら縋りついても、どんな声で唄っても、
俺の言葉は君には安すぎる。
抉り出した悲しみに唸り尽きても、
消えいく声が見える・・・だけ。
覚えたまま生きていく事が全てなら、
君の面影と笑おう。
耳鳴りの中で君の声が・・・
あの頃のままの姿で、
ダメな俺をまた慰めてくれているの?
溢れ出し、零れ落ちていく思い出に目を閉じたまま。
咲き乱れる花に、きらめく飾り木に揺れた。
もう君に出逢う事は出来ない。
今はもう、目の前にいる別の誰かと笑っているの。
いつか歩いた道、君の代わりに掌を頬に・・・
体が思い出す君を、また抱き締める。
抑え切れない悲しみに震え泣いても、
流れいくその先は・・・あの日。
心残りと生きていく事が全てなら、
焦げ付いた息をしよう。
君の面影に抱かれ眠る夜も、
目を覚ましたそこには、
諭す様な静けさが、ずっと響き渡る。
誰かに君を重ねても・・・
そこに居た二人を見つめてる・・・
いつか、君の誕生日を忘れて・・・
そして、いつか君以上の未来と笑える日まで。
ただ、今は涙雨、君との思い出に傘をさして歩いている。
君の中に俺はいなくても・・・俺がいなくても・・・
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