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そして翌日――
「美玲、元気でね…!」
目に涙を溜めてマンション前で俺を見送る母さん。
「…行ってきます」
車の後部座席に荷物を積んで、助手席に座る。
「あなた、美玲を頼むわね?」
「うん、わかっているよ」
「それじゃ」と言って父さんが車を走らせる。
俺はイヤホンをして音楽を聴きながら着くまでの間、ひと眠りすることにした。
―――――
―――
――
―
「ほらみーちゃん着いたよ起きて」
どうやら学校に着いたらしくて体を揺さぶられて起こされた。
「んぁ……え?」
目の前の光景に一気に眠気が吹っ飛んだ。
「…ここ、本当に学校?」
だってさ?大きな門があって、ただ道が続いているだけだった。
学校なんて建物は見当たらない。
「まぁいいから見てて」
車を発車させ、大きな門の間を通って一本道を走ってしばらくすると、何か建物らしき物が見えてきた。
「嘘だろ?これが学校!?」
「…そう。これが美羅鳥(ミラトリ)学園!」
その建物はとてつもなく大きかった。
まぁ、父さんの学校だからな…
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