気後れ

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月曜日にはすっかり体調も戻り通常通り仕事に向かった。 「おはよう」 「おはよう」 駅から会社に向かう群衆の中美紀が私を見つけて声をかけてきた。 「金曜日あの後平気だった?」 「あ……うん、そっちは?」 「…………聞いてくれる?」 ふぅっと溜め息を吐いた彼女は 眉間にシワを寄せた。 「倉持さんが帰った後 樹里のテンションがた落ちで、和田さんにも加藤さんにも凄く気を使っちゃったよ」 「大変だったね」 「また倉持さんに会わせて欲しいとか言われたけど、私は取り持ってあげられないわ 金曜だってびっくりしたのに」 「…………そっか」 …………ほっ。 え。今、私何でほっとしてしまったんだろう。
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