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「おいお前らー、席に着けー」
椿の姿は2ー2と書かれたドアの前にあった。
転校初日ということもあり、中の騒がしい様子に多少緊張しているのか、表情は少し固まっている。
「今日は転入生が来たぞー、よし入ってこい」
先生の一言により中の騒々しさはさらに大きなものとなった。
ガラガラとドアを開ける音すら、生徒達の声により掻き消されている。
椿が一歩踏み出すと同時に教室中の視線が椿へと集中した。それがさらに椿の心臓はドクドクとスピードを加速させる。
「ほら、お前ら静かにしろー」
だるそうな、威厳のない声。だが生徒達も空気を読んだのかその声により教室は静かになる。椿の目の前にいる教師は声からも分かるように、だるそうな様子が見て取れる表情をしており、眠そうな顔をしていた。
「ほら、自己紹介しろ」
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