─episode1─

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◆ 「おいお前らー、席に着けー」 椿の姿は2ー2と書かれたドアの前にあった。 転校初日ということもあり、中の騒がしい様子に多少緊張しているのか、表情は少し固まっている。 「今日は転入生が来たぞー、よし入ってこい」 先生の一言により中の騒々しさはさらに大きなものとなった。 ガラガラとドアを開ける音すら、生徒達の声により掻き消されている。 椿が一歩踏み出すと同時に教室中の視線が椿へと集中した。それがさらに椿の心臓はドクドクとスピードを加速させる。 「ほら、お前ら静かにしろー」 だるそうな、威厳のない声。だが生徒達も空気を読んだのかその声により教室は静かになる。椿の目の前にいる教師は声からも分かるように、だるそうな様子が見て取れる表情をしており、眠そうな顔をしていた。 「ほら、自己紹介しろ」
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