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ニカッと笑っている隆司の言葉を否定するように、女子生徒の声が入り込んできた。
その声は椿の横、つまり隣の席の生徒の声。
そこに視線を向けると、茶色の髪を肩まで伸ばし、クリッと大きな目をした女子生徒の姿があった。
「うちは九条さつき(クジョウサツキ)!さつきでいいよ!椿くんだよね?隣だしよろしくねっ」
「よろしく」
ニシシと笑っているさつきは元気で活発な印象を受ける。
「九条相変わらずひでえ!」
「だって事実じゃん」
バカにされた隆司は大げさに身振り手振りでさつきと言い合っている。しかし、二人の顔には笑顔が張り付いていた。
「ごめんなさい、いつも二人こんな感じなの。私は、春野優衣(ハルノユイ)、優衣でいいですよ。椿くんでいいですか?」
「ああ、よろしく」
隆司とさつきのやり取りを微笑ましく眺めていると、隆司の隣の席、つまり椿の斜め前の女子生徒が話しかけてきた。
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