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ウェーブのかかった艶のある長めの黒髪、色白のきめ細かな肌、ぱっちりとした目。綺麗とかわいいが混じっているそんな感じの少女だった。
さつきとは違い大人しい性格らしく、二人のやり取りを口に手を当て上品に笑っている。
隆司とさつきは相変わらず二人で、バカだ、バカじゃないと言い合っている。それを椿も笑いながら見つめていた。
どうやら椿は初日からいいスタートを切ることができたようである。
いい友達関係も作れそうだ、そんな考えが椿の心にあり、昨夜の鏡の事などすっかり忘れていたのだった。
そして楽しそうな椿達の様子を見たからなのか、元々転校生である椿に興味を抱いていた生徒達がぞろぞろと周りに集まってきた。
「どこの町からきたんだ?」
「彼女とかいるのー?」
転校生にはありきたりな質問。それらを一つ一つ丁寧に答えていき、あっという間に時間は過ぎていく。やはり転校生の初日は注目の的であり、チャイムが鳴り響くまで椿はもみくちゃにされたのだった。
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