─episode1─

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鏡に映ったのは、間違いなく椿。しかし、どこか様子がおかしい。いや、明らかにおかしかった。 鏡を見ているはずが、鏡の椿はまだ手を洗ったままだったのだ。 驚きにより、時が止まったかのように椿の動きが止まる。 「ん?どうした?自分の顔見て驚いた顔しちゃって。まさか自分のイケメンさにでも驚いてんのか?」 ハハハと笑いながらからかうように隆司が話し掛けた。しかし、椿の頭はそれどころではなく、隆司の言葉により更に混乱する事となった。 ─どういう事だ?隆司には普通に映って見えているのか?気付いていないのか?いや、明らかに鏡越しに俺を見ている。─またもや、よく分からない状況に頭を悩ませた。 「おい椿?お前大丈夫か?確かにかっこいいかもしんねえけど見とれすぎだろ」 からかうように笑っていた隆司も、椿の不思議な様子を心配したのか苦笑いしながらも肩を叩く。
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