2人が本棚に入れています
本棚に追加
鏡に映ったのは、間違いなく椿。しかし、どこか様子がおかしい。いや、明らかにおかしかった。
鏡を見ているはずが、鏡の椿はまだ手を洗ったままだったのだ。
驚きにより、時が止まったかのように椿の動きが止まる。
「ん?どうした?自分の顔見て驚いた顔しちゃって。まさか自分のイケメンさにでも驚いてんのか?」
ハハハと笑いながらからかうように隆司が話し掛けた。しかし、椿の頭はそれどころではなく、隆司の言葉により更に混乱する事となった。
─どういう事だ?隆司には普通に映って見えているのか?気付いていないのか?いや、明らかに鏡越しに俺を見ている。─またもや、よく分からない状況に頭を悩ませた。
「おい椿?お前大丈夫か?確かにかっこいいかもしんねえけど見とれすぎだろ」
からかうように笑っていた隆司も、椿の不思議な様子を心配したのか苦笑いしながらも肩を叩く。
最初のコメントを投稿しよう!