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軽やかな足取りで階段を登るこの男、名は神下椿(カミシモツバキ)。
両親が仕事で海外へ出張することになったため、一人暮らしをすることにして、親戚がいるこの町へと引っ越すことになったのだ。
新しい生活にわくわくしているのか部屋へと向かうその足取りはどこか楽しそうに浮ついていた。
しかし、部屋のドアを開けると目の前の光景が浮ついていた足も緩んでいた顔も一変させた。
前もって送っていた荷物が段ボールの山となって積み重なっていたのだ。
新しい生活に早くも困難が立ちはだかる。
今からこれを整理しなければならないという現実に思わずため息がこぼれた。
しかし荷物をこのままにしておくわけにもいかない。気だるい身体に鞭を打ちながらも、ため息混じりに段ボールを開封していった。
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