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この光景を目の当たりにしても、いつも通りの優しい笑みを崩さないで冷静な考察をする緑川先輩はやはり強者だ。
「……」
一番後ろの瑠偉先輩の顔色はどんどん悪くなっていってる気がするけど、本当に大丈夫なのだろうか。
「音楽室は三階だ」
正面玄関は鍵がかかっていたが、どうやらみっちゃんが無断で鍵を拝借してきたらしく、簡単に開く事が出来てしまった。
こういう抜かりのないところはさすがだけれど、今回ばかりは『余計な事を』と思わざるを得ない。
「遙輔、何か言いたそうな顔をしているな?」
「え?あ、いや……全然そんな事ないって!」
「そうか。それならさっそく調査開始といこうか」
そう言ってみっちゃんが開け放った正面玄関、僕たちを出迎えてくれるのはやけにひんやりとした空気と不安を煽る暗闇。
立ち竦むという言葉を知らないみっちゃんがその中へと足を踏み入れれば、僕たちもその後へ続いて校舎内へと潜入。
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