二、夜∽旧校舎

30/59
前へ
/667ページ
次へ
カタン…… どこからともなく響いた音がこの校舎内に反響し、二人の言い争いを中断させる。 二人は同時に体をビクンと震わせ、瑠偉先輩は身構え、藍那ちゃんは怯えて腰が引けている。 「い、いい、い今なななんか……へ、変な音、音が……」 「き、聞こえる訳ねーだろ!」 「いや、僕も聞きましたが……」 比較的冷静に見られやすい僕だが、実は内心ドキドキしているのだ。 それとは対照的なみっちゃんと緑川先輩、一体どれ程の強心臓を持っているのだろうか。 「音の原因は自然現象によって偶発的に起きたものなのか、この世のものではない霊的な何かが作用したものなのか。いよいよ我らがオカルト研究部の力が試される時が来たようだな」 みっちゃんくらいになると、怯えるどころか逆に燃え上がっちゃってるしね。
/667ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加