325人が本棚に入れています
本棚に追加
/667ページ
確かに懸念していた事象は起きなかったが、だからと言って恐怖心が和らぐなんて事はない。
何度も言うようだが廃校となった学校の夜の音楽室なのだ。
夜に普通の学校へ入るというだけで怖いというのに、それが廃校にもなると一気にレベルが跳ね上がる。
「ほう、どうやらこれが例のピアノのようだな」
音楽室は他の教室と比べてそれほど荒れてはいない。
「さっきのピアノの音も、このピアノで奏でられたものなのでしょうかね」
みっちゃんと緑川先輩は当然と言わんばかりにそのピアノを調査し始めるが、その他の三人はただその様子を見守る。
「ほう……これはなかなか興味深い……」
ピアノの鍵盤を見ていたみっちゃんは顎に手を当ててニヤリと不敵に笑って見せた。
「諸君、これを見るがいい」
みっちゃんに促され、仕方なくその鍵盤を覗き込んだ僕と藍那ちゃんと緑川先輩。
最初のコメントを投稿しよう!