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みっちゃん自前のLEDに照らし出された鍵盤、確かにみっちゃんが興味を示した通り明らかに普通の鍵盤と異なっている部分がある。
鍵盤のうちのいくつかが酷く黒ずんでいた。
そしてまず最初に浮かんでくるのは、この上で首吊り自殺があったというあの噂。
「え……こ、これってまさか!ち、血……なんですか?」
明らかに息遣いが荒くなった藍那ちゃんは、さらに体を震わせて僕の背中にしがみついた。
「さぁ、どうだろうか。そのように見えなくもないが、こんなに長く血の跡が残っているものかという疑問の方が強いな」
「どういう事?」
「首吊り自殺があった現場をそのままにしておくはずはないだろう?鍵盤の上に滴った血ももちろんしっかりと拭き取っているはず。だとしたらこんな風に血の跡が残るのは不自然だと思わないか?」
言われてみれば確かにそうだ。
自殺があった瞬間にここが廃校になったという訳でもない限り、廃校になるまではこの教室は使われていたはず。
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