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みっちゃんはライトを鍵盤に向けて、その黒ずんだ部分に触れる。
「濡れている……」
「え!?ま、まま、まさかちち血ですか!?」
「いや、血ではないな」
みっちゃんはそのライトを今度は天井に向け、おかしな部分がないかじっくりと見つめた。
そのライトに合わせて僕たち全員の視線がそこに集中し、僕とみっちゃんはほぼ同時に声を上げた。
「あそこ……」
「あの部分か……」
高い天井、その一部がピアノの鍵盤と同じように黒ずんでいる。
「なるほど、どうやら正体が掴めそうだ」
そう一言発したみっちゃんの顔には得意気な笑み。
既に妙なものを目撃してしまった僕としては、みっちゃんがこんな風に笑える精神状態が理解出来ない。
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