二、夜∽旧校舎

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みっちゃんはライトを鍵盤に向けて、その黒ずんだ部分に触れる。 「濡れている……」 「え!?ま、まま、まさかちち血ですか!?」 「いや、血ではないな」 みっちゃんはそのライトを今度は天井に向け、おかしな部分がないかじっくりと見つめた。 そのライトに合わせて僕たち全員の視線がそこに集中し、僕とみっちゃんはほぼ同時に声を上げた。 「あそこ……」 「あの部分か……」 高い天井、その一部がピアノの鍵盤と同じように黒ずんでいる。 「なるほど、どうやら正体が掴めそうだ」 そう一言発したみっちゃんの顔には得意気な笑み。 既に妙なものを目撃してしまった僕としては、みっちゃんがこんな風に笑える精神状態が理解出来ない。
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