第五章

32/37
338人が本棚に入れています
本棚に追加
/433ページ
藤堂は最初は慌てていたが、徐々に落ち着きを取り戻していった。 「ありがとうございます。……藤堂組長」 「………あのさ、菜月」 「はい。」 「俺のこと、平助って呼んでくれ。」 「でも…」 「歳も近いだろうし、皆そうやって呼んでるからさ!」 「わかりました…多分」 「……あと敬語も無し。」 「…………考えておきます。」 **** 「尚ちゃんって案外体弱い?」 沖田が布団の中で横になっている尚に問う… 「そんなこと、ありませんよ…」 「そうかな」 「それよりすみません。菜月、呼んでいただいてもいいですか?」 「菜月ちゃん?」 「はい」 「わかった。呼んでくるね」 沖田が部屋を出ていったあと、尚は布団を頭から被った。 「(何なの…!?沖田組長と話してると心音が激しくなる…っ)」 尚は一旦深呼吸すると、菜月が来るのを待った。 数分して菜月が入ってきた。 「尚…?」 「何故疑問系?」 「尚が…沖田組長の布団で横になってるから…」 「!!」 気づかなかった。 「ってここ、じゃあ沖田組長の部屋?」 「うん」 ……… ………… …………… 「ま、いいわ…。うん…」 かなり尚が動揺しているように見える。 「あのさ」 うちも言うべきかな…
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!