第五章

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「……これはまだ不確かなものだからよくわからないけど…」 尚は目線を一旦下げると今度は真っ直ぐ菜月の顔を見た。 「『予知能力』だと思う」 「予知……能力?」 菜月は目を見開いた。 予知能力なんて本当に存在したの…? 「何でそんなことが…」 「実は…」 尚は今度は菜月から目線を逸らし、言いにくそうに呟いた。 「私、菜月が死んじゃうところ見たの」 「え……?」 「でも、それは変わった!だからきっとこれから映るものは、近いうちに起こることなんだと思うのよ…」 「これから起こること……ねぇ、まさかそれをうちらが止めるってわけ?」 「…………」 「多分……本当に多分、映るものは、変えなきゃいけないものなんじゃ…」 「なるほど…っ!」 菜月が尚の口を手で塞ぎ、自分の口元の前で人差し指を立てた。 「しっ…邪魔が入ったみたい」 菜月は自分の近くに置いてあった投げナイフを手に取ると シュッ と一点目掛けて投げた。 「どわっ!あっぶね!!」 「平助、声でかい」 「あ…」 「何やっているんですか?藤堂組長…」 「盗み聞きとは悪趣味ですよ、沖田組長…」
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