第五章

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「平助の奴、こんな状態の菜月ちゃん置いてどこ行こうってんだ」 「あいつにも、何か考えがあるんだろ?それより…」 土方は、手で支えている菜月を見下ろす。 「俺にゃぁ仕事があるんでな…」 「なっ…」 「隣にいる。」 土方は菜月を渡すと部屋を出ていった。 しばし沈黙が流れた―――… 「ーっ!!斎藤!頼むっ」 今の今まで黙っていた斎藤に永倉と原田は菜月を押し付ける。 「…わかった。」 斎藤は菜月の手を引きながら部屋を出ていった。 「何処に行くつもりだぁ?」 「よっしゃ、つけるか」 興味津々に、永倉と原田が後に続いた。 **** 「「斎藤の部屋?」」 斎藤と菜月の二人は、斎藤の部屋に入っていった。 「覗いてみるか…」 ちょっとの隙間を開け、覗いた。 「!!」 「!?」 二人は見て驚き―――――――――――――――――……… 笑った。 スー… 二人は刀の手入れをしていた。 しかもほぼ同じスピードで同じことをやっている…… 「(まったくずれねぇ!)」 「(ある意味芸当だ…)」
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