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「そうか――」
目が見えぬ為に疾走感を視覚で感じることはできないが、それでも満足そうであった。
「パウナ、両親はどんな人だった?」
「両親ですか?」
聞いてしまってからアーロンは辛いことを思い出すかもしれないと、少し後悔した。
「お父さんはとっても頼もしくて、よくわたしを肩の上に乗せてくれました。お母さんは誕生日になると必ず服を作ってくれました」
「そうか素晴らしい両親だったのだな」
どこか遠い表情をするパウナに、アーロンの言葉は穏やかだ。
トライアローを一周させ、馬から降りるとアーロンとパウナは見物する調教師とサーバインの場所に戻った。
「さて、会社にいくぞ」
「はい」
声をかけてから馬車に乗り込みアーロン一向は会社に向かった。
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