第二章

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アーロンは花束を受け取ると、ニヤリと笑みを浮かべる。花束は地面に落ちた、グリグリとアーロンは花を踏みつける。その行為にサーバインと重役は沈痛な面持ちになる。胸の内で呟く、何故そんな真似をするんだ――  アーロンはパウナに背を向けた、手でいくぞと仕草をする。サーバイン達は従おうとした、 「カキツバタ――」  パウナの言葉にアーロンは思わず振り返った。 「花束の中のカキツバタという花なんですが、幸運という花言葉を持ってるんです。おじさまにも幸運が訪れますように」  パウナの笑顔にアーロンはたじろいだ。そして、杖に目をやる。 「目が見えないのか――」  口に出してしまった。ふ、と目を背けてしまう。 「はい、病気で。でもわたしはとっても幸せなんです! 村の人達はとっても親切ですし、今日も優しい素敵なおじさまに出会えました」 「魔術師にでも診てもらえれば、目は治せるかもしれませんが、我々には無理な話ですからね」  と、調教師が呟く。 サーバインはこっそりと地面の花束を拾う。アーロンは特に咎めなかった。無垢な少女に言葉を失うが、動揺することもないと取り直し、背を向けた。 「フン――」  つまらなさそうに鼻を鳴らすと、アーロン達はその場を去った。
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