一章 いつものイジメ

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――――――由梨絵 学校へ着くと、上靴に落書きやら画鋲やらが、いっぱい。 「何で私が……」 ここで、涙を流したらダメダメ! 「由梨絵ー。あんた、私達にイジメられてんのに、よく学校へ来れるね」 「……」 私に今しゃべりかけてるのが、篠山 智恵(ささやま ちえ) イジメリーダー。 「は?私にシカトですか……こっちに来な」 「きゃっ……!」 手を引っ張られ、誰もいない体育館の倉庫に連れ行かれる。 「みんな、おまたせ。じゃあ、やりな」 智恵のイジメグループ六人が、私を待っていたかのように口々に言葉を発する。 「由梨絵って、ウザイ!!みんな、蹴ろ!」 「あんたの顔キモイよ!」 その瞬間、強い痛みが体に響いた。 「イタッ……!や、やめ……て」 「止めてやるよ。じゃあ、次は制服」 え?制服?なにするき…… 智恵の手に握られていたもの。 窓からの光で金属が反射し、まぶしい。 そう……ハサミ。 しかも六人分。
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