僕は照れ臭そうに、鞄で顔を隠しながら…

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落下した穴から何とか這い出した俺達は、軽くコックをイジメた後に食事を終えた。 食事はまあ、美味しかったよ。うん。 翌朝、プリズンをチェックアウトした後、船着き場へと向かった。 道中、ウェルが不満を口にする。 「散々な目にあったのじゃ…」 お前の所為だけどな。 だから言っただろう? コスパは重要であると! 「私は結構楽しかったですよ?」 やはり何処か頭のネジが緩んでいる様子のマルシェ。 それに呆れ顔しつつ、それぞれに舟券を渡す。 出航までおよそ一時間。 ゆっくり歩いて行っても充分に間に合う計算だ。 「ハルキ!ハルキよ!」 ウェルが俺の服の裾を突如引っ張り、興奮気味に叫ぶ。 「ビバフを買っておくのじゃーーーっ!!」 「だが断る」 「ぬわーーーっ!ハルキなぞもう知らぬのじゃーっ!」 駄々っ子も大概にして欲しい。 宿選びに失敗した責任は取ってもらおう。 ビバフを我慢する…という形で。
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