僕は照れ臭そうに、鞄で顔を隠しながら…

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「ぬ?我に頼まずとも、そやつらに操船させれば良かろうて」 ああ、その手があったな。 灯台下暗しとはこの事か。 「そうだな。ということで、頼むわ」 鎖を解除し、男達を自由にする。 「え…俺達を自由にしていいのか?」 突如自由を与えられた男達は、驚いた表情でそう尋ねた。 普通なら拘束を解かないだろう。 なんせ相手は海賊なのだから。 「いや…何かしようとしたら、その時点でお仕置きするだけだしな」 「うぬ。ふるぼっこじゃの」 俺とウェルは、”何か問題でも?”と言わんばかりに、男達へそう告げた。 というか、ここで男達が暴れるメリットは無いのだ。 俺の真意はどうであれ、既にアジトへ向かう最中。 わざわざ話をややこしくする必要性が無い。 それぐらいは理解しているだろうと踏んだのだが…違ったのか? 「ははっ。あんた達すげぇわ」 どの程度理解しているかは分からないが、そう言って男達は笑った後、出現させた船へと飛び降りた。 結構高さあるのに…… 場のノリ…というやつだろうか? 『思ったよりたけぇぇぇぇぇぇっ!?』 案の定、男達の叫び声が俺の耳まで届いた。
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