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「チクショウ…散々な目にあったぜ…」
男達はそれぞれ臀部、或いは腰部を擦りつつ、顔を歪めてそう呟いた。
自業自得である。
一時のテンションに身を任せる奴は身を滅ぼすのだよ。
「しょうがない奴らだな…”癒しの羽根”」
創造で男達を回復させ、それぞれの配置に就かせる。
そう言えば、こいつらの名前…まだ聞いてなかったな。
一応聞いておくか。
「なあ。お前達の名前は何だ?」
「え……?」
「名前だよ。名前」
どうでもいいが、こいつらやたらと”え……”が多いな。
理解力が足りないのか?
「俺は”サンチェス”だ」
先程から代表して発言していた男は、照れ臭そうにそう名乗った。
照れた意味が分からないが、その見た目で照れられると船酔いしそうだ。
サンチェスは黒一色の上下、金髪の丸坊主、一重の鋭い瞳で、全体的に厳つい。
身長も俺より一回り高く、如何にもな海賊だ。
その男が頬を赤らめ、モジモジしながら名乗れば…
俺で無くても船酔いしそうになるだろう。
…実際、それを見たマルシェが顔色を青くさせてるしな。
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