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 通り過ぎる二階はカフェ。やはり照明は落ちている。  ミツが時計を確認するとまだ7時前…もしかすると定休日かもしれない。  レイはマイペースに且つ着実に螺旋を登り三階に到着。数歩遅れてミツがその後ろに着いた。 『え…此処って……』  階段を上ってすぐに目に付くのは鉄製の鳥籠に収まった、同じく鉄製の小鳥とその影に小さな電球。  そこから視線を右にずらせば真っ黒な扉が目に映る。蔦を模して作られたオブジェにB4サイズの看板が斜めに掛けられている。  そこはミツが一番好きなブランドの本店。 『中入って見ろよ…別に外観見に来た訳じゃないだろ?』  瞳を細めうっとりと笑みを浮かべるミツを見てくつくつと喉で笑うレイ。  ミツは我に返りそろそろと、白磁のような手を伸ばし重々しい扉を開いた。
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