はじまりの音

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      呉羽は駅前のベンチに座り、 貧乏揺すりに頬杖と、イライラした雰囲気を醸し出していた。   「……寒ィ」   いくらバンドでコスを合わせたいっつっても真冬にスーツのみはキツいだろ。 など報われない愚痴を頭の中で思考として展開し、昇華、また展開と、 いわゆる…暇潰しをしていた。   「よォ呉羽!早いな?」   冷たい風に綺麗な金髪を靡かせながら、ギターを背負ったシンが呉羽に手を振る。      
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