僕と俺

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「奈々?」 俺の腕に、奈々はしっかり抱きつくようにしている。 「ふふ・・・・。良いでしょ?別に。龍は私の婚約者だって主張くらいさせてよ」 俺は溜息をつく。 「ま・・・・・・・良いけどな。事実だし」 俺は何時ものように、自分の鞄を背負い、奈々の鞄も持っている。 そのまま、学校へ向かっている訳なのだが・・・・・。 視線が凄い。 とりわけ・・・・俺への敵視だ。 誰だ?っと言う視線が大多数だな。 まあ。そりゃそうだ。 見た事無い奴が・・・・学校のアイドル?の奈々と腕組んで歩いてんだもんな。 そりゃあ。気になるよな? ようやく門が見えて来た。 そこには、何時ものように風紀の先生がいた。 俺達を目で捉えて、怒鳴ってきた。 「こら!そこ!何をしてる!」 奈々は、残念そうに俺の腕を離す。 俺は、そんな奈々の頭をポンポンと撫でながら言った。 「何か問題ありますか?」 俺の言葉に、先生は俺達を睨みつけて言った。 「問題があるかだと?大有りだ!不純異性交遊は認めない!」 俺は1枚の紙を見せる。 そこには、奈々の両親が書いた俺が奈々の婚約者である事が記されており、卒業後は結婚する事が明記されていた。 「な?はあ??」 先生は、その紙と俺を見比べる。 「お、お前は・・・・・藤堂龍也?」 先生の言葉に、周囲に驚愕の叫びが響き渡る。 まあ。そりゃそうだ。 全然違うもんなあ。今までと。
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