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俺は笑いながら、紙をしまうと言った。
「問題ありませんよね?」
そう言って中に入ろうとした俺を止める先生。
「お、お前は本当に藤堂龍也なのか?!」
俺は胸ポケットから、生徒手帳を取り出す。
そこには、前までの俺の写真が張ってあったが、本物の生徒手帳に呆然とする先生。
「不満でしたら、理事長に確認して下さい。理事長は、俺の事をご存知ですよ?」
そう言って、俺は奈々を促す。
俺達が中に入り校舎の中に消えるのを先生は愚か、周囲の生徒達までもが動く事を忘れて呆然と見送っていた。
俺達が校舎の中に消えてから、再度大きな声が響き渡るのを俺達は笑いながら聞いていた。
「驚くとは思っていたけど凄いわね」
笑顔で俺に言う奈々に、俺は同じ様に笑顔を返しながら奈々に言った。
「教室はもっと凄いと思うぜ?覚悟しとけよ?」
俺の言葉に、クスクス笑いながら奈々が言った。
「判ってるわよ。そんな事。
でも、私にはどうだって良いことだわ」
そう言って、俺を見てにっこり微笑む奈々。
俺も笑顔を返し、奈々の頭を撫でる。
「そういや・・・・・そうか」
そして、俺達は教室に入る。
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