僕と俺

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教室では、何時ものように皆、雑談に興じていたが俺の顔を見て固まった。 奈々を席に着かせて鞄を置くと自分の席に向かった所で山田が俺の前に立ち塞がった。 「お前。誰だ!」 俺は、ニヤリっと笑うと言った。 「俺は、藤堂龍也だが?」 「「「「「「はああ?????」」」」」」 周囲で大きな声が巻き起こる。 「な?貴様が龍也だと?嘘をつくな!」 俺は、鞄から鬘を出して頭に乗っける。 今までの髪型にして作っておいたのだ。 「ああ!!!!」 俺はそれを外し、鞄にしまう。 「な?本人だろ?」 俺の様子に、呆然とした表情で山田が言う。 「な・・・・・・全然違うだろ?様子がまるっきり別人じゃねえか!」 俺は、肩を竦めて言う。 「悪いな。これが俺なんだよ」 そう言ってどかっと椅子に腰を降ろす。 「お前、全然雰囲気違うだろ!」 横で野中が怒鳴ってる。 俺は授業の準備をしながら言う。 「そっかあ?俺はこれが素なんだよな。 まあ・・・・・今後は、隠す意味無くなったし、このままで行こうかなと思ってんだよな」 そう言って、にんまりした時だった。
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