僕と俺

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メシアに関する事は、世界的にタブーになってしまっているのだ。 俺の言葉に、ブレス達は沈黙してしまった。 俺は笑顔で言う。 『お引取り・・・・・・お願い出来ますね?』 悔しそうに俺を睨む、ブレスの人達。 そして、全員が無言で引き上げて行く。 理事長も呆然とその様子を見つめた。 「え?あ?私の結果は?」 ブレス達を見る先生に、理事長は溜息をついて言った。 「先生。偽りはいけませんよ?当高校の名前を汚す事はしないで下さい」 理事長の言葉に、怒りの表情で俺を睨む先生。 俺。何かした? 「お前が、何か言ったのだろう!だから、取材が引き上げたのではないか? 折角、名前を売るチャンスだったのに!」 先生の言葉に、俺も理事長も絶句した。 「き、君は・・・・・何を言い出すのかね」 名前を売るチャンスって何だよ。それ。 先生は目をぎらつかせて理事長を見た後俺を睨みつける。 「お前が・・・・・お前が・・・・お前があんな事をしなければ・・・・・・全部・・・・お前が悪いんだあ!!!!!!」 何だよ!その理不尽!! 急に大きく叫ぶと先生は何と、その場にあった果物ナイフを振り翳して俺を刺そうとした。 その瞬間。 今まで、部屋の隅にいた筈の青年が足を払い、先生を引き倒すとナイフを奪って後ろ手に手錠を掛けていた。
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