僕と俺

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「ば、馬鹿な!どうやったんだ!」 「確かに、粉々だった筈なのに!」 俺は、騒ぐ周囲を無視して筆記具を出し、さっさと問題を解いて行く。 素早く終わらせると、プリントを机に伏せて置き窓の外を見る。 皆は、まだ懸命に問題と取り組んでいる。 ちょうどその時、チャイムが鳴り先生が入って来た。 「はい。後ろから集めて下さい。 おや?藤堂君は、間に合いましたか?」 俺は笑顔で答えた。 「はい。10分位前に戻りましたので、間に合いましたよ」 俺の言葉に驚いた表情をする先生。 「え?10分で終了したのですか?」 俺は、笑顔で言う。 「はい。そうですよ」 俺はそう言って、プリントを出した。 先生が、驚いた様子で俺のプリントを見て更に眼を見開く。 「ば・・・・・馬鹿な・・・・」 先生は驚愕の表情で、プリントと俺を見比べる。 他の生徒達のプリントも一纏めにして先生は呆然と教室を後にした。 先生が出て行くのと同時に、山田達は立ち上がると俺の机の横に来た。 「おい!龍!貴様、何をしたんだ!」 俺は溜息をついて2人を見上げて言う。 「何をって?」 野中は、俺の机を勢い良く叩いて怒鳴った。 「さっきのプリントだよ!何をしたんだよ!」 俺は、ニヤリっと笑うと言った。 「さあな」
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