俺は勇者だった

遠足

あえて言うなら、登校した日にドヤ顔でこっちを見て笑う２人に、ちょっぴりムカついた。

安藤と古野の２人は泣きそうな表情で、こっちを見ていたから、笑顔を向けておいた。

まあ、今までとあまり変わらないんじゃね？

あっちに行くまでは、俺は、陰気で暗くて、本当に嫌な奴だったと自分で思うからなあ。

自分の事しか、頭に無かったし自分だけが正しいと思ってた。

悪い事は全て、他人のせい。

責任転嫁して、逃げていた。

自分で努力など、した事無かった。

その俺が、向こうでは勇者ってんだから笑わせるよな。

でも、お陰で変われたんだ。

自分の甘さも何もかも、理解する事が出来た。

命懸けだったけどな。

彼等が果たして、そんな機会が訪れた時･･････。

決断が出来るんだろうか。

俺は･･････皆より、一足先に大人になってしまったって事なんだろうなあ。

俺は、俺の事を噂するクラスメートを見て、溜息をついた。