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いやいや、ここ学校。何この外装。どっかの王室みたいだし。
扉を見て呆けている俺に七瀬は笑いかけた。
「…なんだ、これ」
「驚いた?僕も初めて来たときは驚いたなぁ。中はもっと凄いよ。」
「……」
「とりあえず、入ろ?」
扉を開けた七瀬に続いて中に入ると、そこは、
まるで以下略。
「座って?」
七瀬に促されて座ったソファーはまるでネコバスのように、いや乗ったことないけど! 座ってみると心地よく沈んだ。なんだこれ…!
「……何。見ないでくれる…」
「か、かわいぃぃぃい!!」
「…は?…ちょ、や、近寄るな!」
「可愛い可愛い可愛い!!あれれれ、綾瀬ってここまで可愛かったぁ?やっぱり綾瀬不足なんですね僕は!そんなにここのソファー好きなら毎日おいで!嬉しそうに笑っちゃって、そうだよね、このソファー超柔らかいよね最高だよね持ち帰りたいよね、そんな僕は綾瀬をお持ち帰りたい!あぁ、これからは毎日綾瀬の顔を身体を見れると思うと嬉しくて吐きそうだゼ★今までどんなに我慢したか…どんなに僕らを引き離した親を恨んだか…そういえば綾瀬はフギャッ!!」
だらしなく顔を緩めて話し続ける七瀬を脇腹を蹴って沈めたのは、俺ではなく、…誰?
「おい、会長。…こんなキャラだったか?…まぁ良い。」
そう言って七瀬に向けていた視線をこちらに移したイケメン(誰)さん。
真面目なイメージを持った。うん。短い黒髪に精悍な顔つき。高い身長で程よく筋肉が付いていて、なんか…初めて頼れそうな人来た。
「君は転校生か?」
頷くとイケメン(謎)さんはフッと微笑んで手を差し出してきた。から、握手をする。うわ、超イケメン。手が大きい…。
「初めまして。俺は井上航だ。ここで生徒会副会長をしている。いつでも俺を頼ると良い。」
「!…ありがとう。俺は榎本綾瀬、です。今日からお世話になります。え、と…井上、先輩。」
少し微笑んで返すと、井上先輩は若干目を見開いて言った。
「確かに、会長に似ているな…ふむ…綾瀬、と呼んでも良いか?」
「はい!」
「よし。ところで綾瀬。学校の説明をこの馬鹿はしたのか?」
「してないです」
「……あの馬鹿…だから俺がやるっつったのに…」
井上先輩はハァ、とため息をついて七瀬を見た。
ってか、ちょ、まだあいつ伸びてんの。
「しょうがない、俺が説明をしようか。覚えることは沢山ある。まぁ、学校案内はルームメイトにでもやってもらえ。」
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