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「セイ、起きてー」
5時間目の数学は、どうしても眠くなる。5時間というのと数学という教科、二つが科学反応を起こして眠気を生み出す。
「セーイー」
ゆらゆらと体が揺らされる。あまりにも俺が起きないからか徐々にそれはヒートアップして叩くという行為に変わった。
流石に三発目は痛くて、うっすらと目を開けると前には少しだけ整った顔が。
「…何なんだよ、海輝(ミキ)」
「やっと起きたか、この野郎!セイ寝すぎッ!ナマケモノでも目指してんのか!」
「…あーうん、目指してる。お前はチンパンジーでも目指してんの?」
「…なッ!」
少しだけ赤くなった顔が、整った顔とアンバランスでかわいらしい。こういうの、美鈴(ミスズ)が言ってたギャップって奴か。
「またお前髪の毛短くして…。猿目指してんの?あ、違う。
お前元から猿か」
「馬鹿か!あたしお前よりも知能あるしー」
「いや、精神的に?」
そう言いながら、鞄を出して唯一持ってきているノートを鞄にしまった。
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