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六時間目の終わりのチャイムが鳴った。
あたしは、なぜか男子から凝視されていながらもなんとか一日目を終えることができた。
「……つ…疲れた」
「お疲れ様です」
麗香はにっこり笑うけど
「その疲れは誰のせいだと思って…」
「今から寮戻るか」
「そういや、なっくんが結衣のこと探してたよ」
「……え?何で…?…」
「………さぁ?…」
職員室…
「じゃあ、行ってくるから皆はー」
「なに言ってんだよ」
ですよね…あたしなんか待たずに帰りますよね…
「一緒に行くよ」
………え?
「行こ行こ!!」
「えっ…着いてきてくれるの?」
「?当たり前だろ?」
何か嬉しい。英華は基本一人でいたから…
あたりまえ………
嬉しい…
「あ…ありがと」
顔を上げるのが恥ずかしかったけど…伝わったよね…「…って!何ニヤニヤしてんのっ!!」
「「えー?別にぃ?」」
声を揃えて麗香と彩人が言う。むかつく…
「特待生手続き書?」
「そう。もしこの学園を辞めたくなったとき、この学園の次に入る学校の援助するんだよ。」
「えっ…何で…」
「校外されないためだよ。」「え…?」
「世間に警察と連携してるなんてバレたら、ヤバいだろだから。」
……………………………………忘れてた。この学園は普通じゃないことを。普通に勉強する場所じゃない。それでも…もう
「あたしに居場所はないから」
「は?」
「いえ、大丈夫です。辞めたりしません」
「そうか…あいつらはどうだ?生徒会」
「あー…もう意地悪ばっかりで…」
「そうか…でも、あいつらもお前を守りたいんだよ」……え?あんな意地悪ばっかり言ってたのに…
「あいつら、素直じゃないけどよろしくな」
「……はぁ……」
あたしは意味がわからなかったんだ。守るそれは、ひとつの過去があるから。そして…ひとつの後悔があることを。
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