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~隼人side~
「この地域が妥当だ。」
渡された数枚のプリントには俺達の私有倉庫
「…夏目」
「警察には連絡した。でも数名の刑事をこっちに寄越すから、大事にはするなって上からの指示」
「…わかってる。」
所詮は、こんなもの。
警察は俺達を利用するだけしといて後は知らん顔
いつだって…
世間体を気にして…
「…警察は、勝手だな」
「…うん。」
苦笑いしか出てこない
そんなに…そんなに…
高校生の力を借りて不良を締めているということが嫌なのか?
「…隼人、でもな?」
「…佐藤達は言わねーよ」
言わない。こんなこと。
でも、少し考えればわかる
綾野学園がどんなにいい学園だとしても…
綾野学園がどんなに楽しい学園だとしても
俺達に自由はない。
外出は月に2回
帰省できるのは、お盆と正月くらい。
しかも、時期をずらした頃
警察からの援助もある。
でも…
自分が危険な目にあう仕事を高校生にやらせているんだ。
「…それをいっても佐藤達はきっと、文句なんか言わない。」
あいつらは、中学のときに散々暴れていた…
親に見放されて、居場所がなかったところを拾ってくれた。助けてもらったって………
きっと、言うんだ
「ま、今は結衣と麗香だ」
肩を軽く叩かれる
わかってる。
そんなことくらい…
「隼人さん!」
神埼が声をあげた。
「?どうした?」
「この倉庫が…」
「…行くか」
「はい!」
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