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~麗香side~
九条は相変わらずにっこり笑っていた。
何…こいつ…
縛られた手首にある縄はびくともしない
「あー、遅いなぁ」
九条はポケットから携帯を取り出した
?何かする気?
「あー、あんたのじゃないとダメか…」
取られていた私の携帯で誰かに電話をかけた
多分、蓮
「あ、もしもーし?蓮くん?俺、九条」
やっぱり。
ガキだな…
「遅いよー早く来ないと、このお姫様やっちゃうかも」
………は?
「ん?麗香ちゃんだよ。君の大事なお姫様♪」
やっちゃうって………
まさか…そういう…
「早く来ないと、危ないからね…」
最後にクスリと笑い、乱暴に携帯を投げた。投げられた携帯は大きな音を立てて転がる
嘘…でしょ…
まさか…まさか…
「麗香ちゃん、奥行こうか」にっこり笑うその笑顔にぞくりとする。
手首にあった縄をほどかれ腕を引っ張られる
「はぁ!?あんた、何考えてんの!?」
振り払おうとしても解けない腕
「さぁ?俺は蓮の最高に泣いてる顔が見れればいいよ?」
なに…なに言って…
震えたくないのに震える手足
嫌だ…嫌だ…
「…あ、あんたが嫌なら、あの子でもいいかな?」
あの子…?
「―…ダメ!」
反射にそう言った
ダメだよ…絶対…
私は反抗するのをやめた
どのみち、私の恋は叶わない
それなら…もういい。
結衣を傷つけられたら隼人が悲しむから…
「…いいよ。あんたの好きなようにすればいい。」
「へぇ?美しい友情」
腕を引っ張られる。
それに…私が九条に抱かれても蓮は泣かない…
だから…もういいの
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