≡一章≡欲望と神界

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例を上げてみようか。 ある時、プロメテウスが天界から火を盗んで人類に与えた。 そのことに対して、ゼウスは怒り狂ったさ。 そして、人類に災いをもたらすために「女性」というものを作るよう神々に命令したという。 ヘーシオドス『仕事と日』によれば・・・ ヘーパイストスは泥から彼女の形をつくり、神々はあらゆる贈り物を・・・(=パンドラの箱)を与えた。 アテナからは機織や女のすべき仕事の能力を、アプロディテからは男を苦悩させる魅力を、ヘルメスからは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えられた。 そして、神々は最後に彼女に決して開けてはいけないと言い含めて箱を持たせ、エピメテウスの元へ送り込んだんだ。 美しいパンドラを見たエピメテウスは、兄であるプロメテウスからの「ゼウスからの贈り物は受け取るな」 という忠告にもかかわらず、彼女と結婚した。そして、ある日パンドラは好奇心に負けて箱を開いてしまう。 すると、そこから様々な災い(エリスやニュクスの子供たち、疫病、悲嘆、欠乏、犯罪などなど)が飛び出し逃げ出した。しかし、「ελπι」(エルピス)のみは縁の下に残って出て行かなかった、そして慌ててパンドラはその箱を閉めた。 こうして世界には災厄が満ち人々は苦しむことになる・・・。 たが”希望”は残る・・・ だから人は希望を持ち続けて歩けてきたんだと いや・・・だがしかし、人に残ったのは本当に希望なのか?? 先ほどに述べたように、本当に、其処には     希望 が残ったのか??? 人によって解釈は様々で有ろうが、俺はこう考える、それは”希望”という名に包み隠された   ””欲望”” であると。
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